【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
それだけ言うと、本当にジェラルド様は私に背を向けて部屋を出て行ってしまった。
一瞬決めかけた覚悟のやり場に困る。
ジェラルド様にとって私は年下の目が離せない子どもでしかないのだろう。結婚したからといって、急に私たちの距離が近づくことはないらしい。
よく考えれば、私はジェラルド様に『好き』だと伝えたけれど、ジェラルド様は『私としか結婚できない』と言っただけの話だ。
「な、なるほど……。好きだと言われていないし、その上私には、大人の色気が足りないと」
参列者の王立学園の友人たちや、私の家族、それに涙ながらに私にお詫びをしてきた両陛下は、みんな口を揃えて私のウエディングドレス姿を可憐な妖精みたいだ、と言ってくれた。
けれど、誰一人美しいとか、大人の魅力があるなんて言ってくれなかった。