【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
それに引き換え、王族だけが着ることを許される白い正装に身を包んだジェラルド様は、あまりに麗しくて、カッコよくて、大人の魅力満載なものだから、眩しすぎて、好きすぎて、隣に立っているのが正直辛かった。
絶対に大人っぽくなってみせると決意しながら、繊細すぎてどこから脱いだらいいのかわからないドレスに苦戦していると、ドアが叩かれる。
「どうぞ……」
「失礼いたします」
静かに入ってきたのは、可愛らしい侍女と、屋敷に着いたときに挨拶してくれた侍女長だ。
私たちの結婚は、通常何年もの婚約者としての準備期間を経てされる王族の結婚にしては、類を見ないスピードで決定し、式が執り行われた。
それは、私についての醜聞が、王国全土に広がることや、私の立場を利用しようとする人間が現れる前にという意味だったのだろう。もちろん、そのほかにこんなにも私たちの結婚式がすぐに行われた意味なんてあるはずもない。
「このレテリエが、奥様の専属侍女になります。何かありましたら、侍女長である私にいつでもお申し付けください」
「レテリエと申します」
「よろしくね。レテリエ」