【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
王弟殿下の王都のお屋敷は広大で、しばらくは迷子になってしまいそうだ。
ただでさえ、王立学園でも慣れるまで迷ってしまったのだ。
屋敷内で捜索されたりしないように気をつけよう、と心に誓う。
用意されていたドレスは、軽やかで締め付けなく可愛らしい。
本当に可愛くて、好みにぴったりだけれど、白くてリボンとフリルでいっぱいのそれは、私が目指したい大人の淑女路線とは正反対だ。
「あの……。もう少し大人っぽいものはないのかしら?」
「旦那様がご用意したものなので……。とてもよくお似合いですよ」
「そ、そう……」
食卓に向かった私は、もう一度決意する。
なんとしても、大人の色気を手に入れて、ジェラルド様に振り向いてもらうのだと。