【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

「すまないな……。バルトは悪い人間ではないのだが」
「……職務に忠実な方だと知っています。何度か護衛していただいたことがあるので」
「……そうか。彼とはよく一緒にいる姿を見た。すでに知り合いなのだな」
「知り合いというか……。会話をしたことがありません」

 事実、私はバルト卿とは、護衛をしてもらうときに恭しく捧げられる騎士としての礼と挨拶の言葉以外は、会話を交したことがない。
 いつも完璧な騎士団長で、寡黙なバルト卿が、あんなふうに飛び込んでくるなんて本当に予想外だった。けれど、人にはいろいろな一面があるということは、私自身がよく知っている。

「そうか、それは良かった」
「……? どういうことですか」
「年甲斐もなく、決闘を挑みそうになった自分に困惑している」
「……え? よく聞こえませんでした。すみません」
「そのまま、聞かなかったことにしてくれ」
< 49 / 190 >

この作品をシェア

pagetop