a Piece of Cake.

食欲の秋だ。世の中に美味しいものが沢山出る。

掛け時計を見上げた。
そろそろ普通の家庭は夕飯になる時間。

「じゃあわたしはそろそろ……」
「え、夕飯食べて行かないんですか」

いつの間に下へおりていたのか、夕美さんがキッチンにいた。驚いてそちらを見る。

「いや、さすがに」

手を横に振る。どんなにお腹が空いていようとそんなに図太い神経は持ち合わせていない。

「明日早いんですか」
「明日、も休みだけど……」

まさか聡現くんからも畳み掛けられるとは思わず、怯む。

「今日は俺が当番なので食べて行ってください。米たくさん炊くので」

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