a Piece of Cake.

いや、と弁解のような言葉が始まる。

「まだ二回しか会ってないし、首藤さんが良いと思ったタイミングで良いから。俺は首藤さんの、飾らないとこ好きだよ」

まさかそんなことを言ってもらえるとは思わず、言葉が出ないでいると、木谷さんが慌てる。

「ご飯美味しそうに食べるとことか、笑ってる顔とか」
「い、いいです、もう伝わってます! ありがとうございます!」
「本当……?」
「充分に! でもあの、ちょっと考えても良いですか……」

わたしの言葉に木谷さんは大きく頷く。

「勿論。いつまでも待つよ」

そう言って笑ってくれた。

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