a Piece of Cake.

女嫌いらしい、聡現くんは。

まあ確かに付き纏われれば嫌にもなる。わたしもストーカーにならないように気を付けよう。

「オリーブオイル被ってるのにへらへらしてたから」
「言い方……」
「こんな弟ですけど、仲良くしてやってください。お昼にも来てくれてましたよね?」

兄弟揃って観察眼が鋭い。
列の横を通ったときのを見ていたんだろうか。

「昼に来たんですか?」

聡現くんがこちらを見た。

「並んでたし、忙しそうだったし、夕方に出直そうと思って」
「なるほど。雑誌掲載で更に休日がすごくて、すみません」
「なんで謝るの、良いことなのに」

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