夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!




「このあたりは、ほとんど来たことがないよ。」

「そうなんですか…」



たっくんの家だったベンチから私の家は、歩いたら40分くらいかかる。
たっくんは、ショッピングモールの掃除をしてたらしいから、うちの方には全然来てなかったみたいだ。
だから、区役所の場所も知らないって言うから、次の日、私はたっくんに付き添った。



このあたりはバスもあんまりないから、けっこう不便。
自転車でもあれば便利なのかもしれないけど、残念ながら私は自転車に乗れない。
実家もおばあちゃんの家も、駅やスーパーはそんなに遠くないから、わざわざ自転車に乗ろうと思わなかったんだよね。
考えてみれば、小学生の頃以来、自転車には乗ったことがないかも。



「ホームレスやってたってこと、言わなきゃいけないのかな?」

「えっ?そ、そうですね。もし、聞かれたら話さないといけないかもしれませんが、聞かれなかったら言わなくて良いんじゃないですか?」

「俺…役所って苦手なんだ。」

そう呟いたたっくんは、表情も声も本当に心細げで…



「大丈夫ですよ。私がついていますから。」

私も自信なんてないけど、ついそんなことを言ってしまった。
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