幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
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同窓会から、早や三ヶ月が過ぎた。
季節はすっかり夏を迎えて、連日、最高気温三十五度前後の暑い毎日だ。
そんな中、私は、暑さのせいだけではなく汗をかく日々を過ごしている。
『それで、結婚はいつになるの?』
受話スピーカーから聞こえる母の声に、私はため息をつきつつ決まり切った答えを返す。これで何度目だろう。
「だから、そういうことはまだはっきり考えてないって」
『のんきなこと言ってる場合じゃないでしょ、由梨。あんたもう三十三なのよ』
母の切り返しも、聞くのは何度目だろうか。ここ二ヶ月ほどの間に、飽きるほどに繰り返されたやり取りである。すでに数えることを放棄して久しい。
『あちらのご両親だって楽しみにしてるんだから。お互い、孫の顔ぐらいちゃんと見たいって』
「孫ならもういるでしょ。沙耶香ちゃんとこと、洋海のとこに」
倫之の妹と、私の弟はそれぞれ数年前に結婚して、とっくに子持ちだ。
『わかってないわね。最初の子の結婚ってのは、親にとっては感慨深さが違うものなのよ』
「……そうなの?」