幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
『そうよ。だから、倫之くんとっていうのはびっくりしたけど、きちんと話がまとまってほしいと思ってるの。特に女性はね、子供産める年齢にどうしても限界があるんだから』
「…………」
母の言いたいこともわかる。わかるけど。
『だからね、のんきなこと言ってないで、ちゃんと考えて』
「わかったから。ごめん、そろそろ休憩時間終わるから」
そう言って通話を終えた。会社の昼休みを狙ってわざわざかけてくるほど、母にとっては重要かつ迅速に対応すべき問題になっているらしい。
思わず、大きなため息が出た。
とてもじゃないけど、今さら「芝居」だなんて言えない。
けれど、これはまぎれもなくお芝居で、嘘の交際なのだ。
──それなのに。
同窓会で終了するはずだった、私と倫之の「芝居」。
だがどういうわけか、同窓会が終わった後も、倫之は定期的に連絡してくる。観たい映画があるから付き合ってくれとか、新しくできたショッピングモールに行ってみないかとか。
いくらでも相手のアテはあるだろうに、わざわざ私を誘う意図がわからない。