幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
おまけに私の知らない間に、ご両親に報告までされている。実家に電話したついでにそういう話になった、などと倫之は言っていたけど、そんな話をすれば私の親にも伝わることは予想がついたはずだ。そもそも、本当の交際でもないのに、なぜ自分の親に話したりしたのか。
考えれば考えるほど、倫之がどういうつもりでいるのか、皆目わからない。
そのくせ、私はこいつに、それについて尋ねることができないでいる。
理由はわかっている──怖いからだ。
わざわざ尋ねて、お芝居である事実を再確認して、じゃあそろそろやめようか、というふうに言われるのが。
……どうして、そう言われるのが怖いのか。
その理由も、本当はとっくにわかっている──わかっていて、知らないふりをしているのだ。
話が一段落して、ついまた黙ってしまった私に、倫之が首をかしげる。
「今日、元気なくない?」
「え?」
「なんかしょっちゅうぼーっとしてる感じ。寝不足か?」
「そ、そんなことない。ゆうべはぐっすり寝た」
じゃあ何、という表情で、じっと顔を見られる。
その視線を普通に受け止められなくて、目をそらす。