幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
……いつからか、こいつにじっと見られることが、落ち着かなくなっていた。その、どうしてか真っ直ぐすぎる目を、向けられているとひどくそわそわして──ドキドキする。
片想いの相手と目が合って慌てる中学生か高校生みたいだ、と感じたその時に、本当は気持ちの変化に気づいていた。
私は倫之が好きなのだ。
いまだに彼氏らしく振る舞おうとしてくれている、彼が。
けれどこんな気持ちを打ち明けたら、絶対に困らせる。
幼なじみでしかない私に、好きだなんて言われても、戸惑うだけだろう。それこそ中高生ならまだしも、三十過ぎてからそんな告白をするなんて、痛すぎるとしか言い様がない。
わかりすぎるほどにそれがわかるから、気持ちを言うつもりはなかった。
──代わりに、言わなければならないことは。
「気に入らなかったか? さっきの店」
「え? ううん、美味しかったよ。いい店だった」
「じゃあ何で、そんなずっと、浮かない顔してんだよ」
「…………」
「なんか悩みあるなら言えよ。水くさいぞ」
ちょっと怒ったようにも聞こえる声、だけど気遣っているのが伝わる声。