幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
私を心配しているからこそ、少しの苛立ちを感じているのだと、わかってしまう。
そんなふうに思ってもらう──接してもらう資格は本来、私にはないのだ。だから、離れなきゃいけない。
交差点でぴたりと足を止めた私を、不思議そうに振り返った倫之に、切り出した。
「そろそろ、終わりにしましょう」
「──は? 何の話」
「決まってるでしょ、お芝居よ。ほんとならもう、とっくに終わらせてるはずだったんだから」
繋がれた手から、そっと自分の手を引く。
掴まれ直されないように背中に腕を回しながら、けれど目を合わせる勇気はなくてうつむいたまま、続けた。
「いろいろ気遣ってくれてありがとう。でももう、我慢して私に付き合い続けなくていいのよ」
「……我慢?」
「だってそうでしょ。好きでもない私と、毎週デートするなんて。毎回おごってくれてたから、想定予算だいぶオーバーしたんじゃない」
「何言ってんだよおまえ。そんなこと」
「わかってる、そんな気を遣うなって言うんでしょ。でも私は気になるの。あんたのお金も時間も、これ以上無駄にはできない」
「無駄、だって?」