幼馴染みとの契約交際が溺愛必須に変更されました。
そのつぶやきに傷ついた響きを感じ取って、顔を上げる。
本当に、倫之は、傷ついたような表情をしていた。
思わぬものを見て気持ちが一瞬くじけるも、立て直して、もう一度告げた。決めていた結論を。
「お互いいい年なんだし、次は本当に結婚できる人を見つけましょう。あんたならすぐに見つかるわよ。私も、頑張るから」
タイミングを見計らい、倫之から離れ、走って交差点を渡った。彼は追いかけてこようとしたかもしれないけど、振り返らなかったからわからない。それに、直後に信号が点滅を始めたから、つもりがあったとしても渡れなかっただろう。
そういうタイミングを計って、会話を終えたのだ。
一番近い駅に駆け込み、改札を通って電車に乗ったところで、ようやく息を吐いた。
その拍子に、涙がぽろりと頬をつたった。
電車が目的の駅に着くまで、窓の外を見ながら私は、こみ上げてくる嗚咽を懸命に抑えていた。
着いた駅のトイレで、我慢できずにしばらく泣いて。