「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
 お父様だって娘の結婚相手でなければ、関係ないからとベアトリス様の結婚相手については放っておく可能性もあるし。

 国民としては守護結界の元である彼女が居てくれないと本当に困ってしまうので、どうにか穏便にシリルを諦めてくれたら良いけど……。

 予定通りに夕食を外で済ませてきた私たちは、かなり遅くなってからロッソ公爵邸へと帰り着いた。

 本当は昨夜取りに来ると言っていたので代理で執事に渡すように頼んでおいた昨日ルーンさんのために作ったお菓子は、まだ取りに来ていないようだった。

 まだ、ベアトリス様との用事が終わっていないか、何か他に用事が出来ているのかもしれないけど……約束はきっちり守ってくれるルーンさんらしくなくて、私は心に引っかかってしまった。
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