「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
シリルはこともなげに言ったので、私はとんでもないと慌てて両手を突き出した。
「えっ……遠慮します!」
「そう? 残念」
微笑んだシリルが軽く手を振ると、夕焼け空に浮かんでいた空気で出来た竜はあっという間に姿を消した。
「ごめんなさいっ……せっかく、言ってくれたのに」
彼の好意を無にしてしまったのではないかと、不安になった私が謝ったらシリルは微笑んで首を横に振った。
「良いよ良いよ。誰だって苦手なものはあるよ……フィオナが、早くそれを俺に教えてくれたら良いと思う。だって、すぐ近くに居るというのに、なぜかいつも見えない線を引かれているような気がするんだ……違う?」
シリルの青い目はまっすぐで、私はそんな彼を前に恥ずかしくなった。心を開いて言いたいことを言ってくれと、そう言っているのは理解出来たけど……。
そんな私は、すぐに嫌われてしまうのではない?
「……ごめんなさい」
シリルは、良い人だってわかってるのに……私の情けない思いを、どう言えばわかってもらえるの?
それなら……やっぱり近くに居るジャスティナの方が良かったって、彼は言い出さない?
「えっ……遠慮します!」
「そう? 残念」
微笑んだシリルが軽く手を振ると、夕焼け空に浮かんでいた空気で出来た竜はあっという間に姿を消した。
「ごめんなさいっ……せっかく、言ってくれたのに」
彼の好意を無にしてしまったのではないかと、不安になった私が謝ったらシリルは微笑んで首を横に振った。
「良いよ良いよ。誰だって苦手なものはあるよ……フィオナが、早くそれを俺に教えてくれたら良いと思う。だって、すぐ近くに居るというのに、なぜかいつも見えない線を引かれているような気がするんだ……違う?」
シリルの青い目はまっすぐで、私はそんな彼を前に恥ずかしくなった。心を開いて言いたいことを言ってくれと、そう言っているのは理解出来たけど……。
そんな私は、すぐに嫌われてしまうのではない?
「……ごめんなさい」
シリルは、良い人だってわかってるのに……私の情けない思いを、どう言えばわかってもらえるの?
それなら……やっぱり近くに居るジャスティナの方が良かったって、彼は言い出さない?