「急募:俺と結婚してください」の手持ち看板を掲げ困っていた勇者様と結婚することになったら、誰よりも溺愛されることになりました。
「フィオナ。何か、心配ごとでも? ベアトリスは、王の厳命がくだり、君には近づいていないはずだけど……フィオナに危険があるなら、俺が対処するから変わったことがあるなら教えて欲しいんだ」
「何も……何もないわ。シリル」
◇◆◇
私は親友のジャスティナに黙っていられなくて、全てを打ち明けた。
シリルは皆が噂している通りに、聖女ベアトリス様から逃げ出したくて、偶然通りがかった私に結婚を申し込んだ。
けれど、夫になったシリルは、私にはそういう意味で指一本触れないのだと。
ジャスティナは憧れの勇者様がやけになって酒場の前で手持ち看板を持ち呼び掛けていたくだりでは絶句していたけど、急に私が結婚した理由や何もかも、彼女に話してしまえば大きな秘密を抱えていた私は気持ちが楽になった。
ジャスティナはこれまでのすべてを知って、複雑そうな表情をしていた。
何度もシリルのことは好きではないのかと確認されたけど、私は首を横に振った。もうすぐ別れてしまう人を、好きなのだと認めたくなかったから。
シリルは、何も悪くない。
「何も……何もないわ。シリル」
◇◆◇
私は親友のジャスティナに黙っていられなくて、全てを打ち明けた。
シリルは皆が噂している通りに、聖女ベアトリス様から逃げ出したくて、偶然通りがかった私に結婚を申し込んだ。
けれど、夫になったシリルは、私にはそういう意味で指一本触れないのだと。
ジャスティナは憧れの勇者様がやけになって酒場の前で手持ち看板を持ち呼び掛けていたくだりでは絶句していたけど、急に私が結婚した理由や何もかも、彼女に話してしまえば大きな秘密を抱えていた私は気持ちが楽になった。
ジャスティナはこれまでのすべてを知って、複雑そうな表情をしていた。
何度もシリルのことは好きではないのかと確認されたけど、私は首を横に振った。もうすぐ別れてしまう人を、好きなのだと認めたくなかったから。
シリルは、何も悪くない。