元彼専務の十年愛
「ごめん、紗知。10年も経ってまた傷つけた。これ以上は一緒にいられないと思って、お母さんの件がなくても半年を待たずに取引を解消するつもりだった」
颯太の腕が緩み、ゆっくりと身体が離れる。
「俺のわがままに付き合ってくれてありがとう」
小さく微笑むその表情には、悲しみを隠しきれていない。
ロボットだなんて誰が言ったんだろう。
颯太は感情を殺していただけだ。
パーティーのあと、私の前でもそうでなければならないと冷たく振る舞っていただけだ。
身を切られる思いになって、思わず背伸びをし颯太の首に手を回した。
「紗知?」
「わかってるの。私はもうここにはいられない。だけど…」
頭では理解している。
颯太はいつか、その身分に釣り合う女性と結婚する。
会社の発展のために。会社を立派に継いでいくために。
私は颯太と結ばれることはない。
けれど…
「私もあと少しだけ、一緒に夢を見ていたい」
数秒の間を置いた颯太が、私をきつく抱きしめ返す。
「…そんなこと言われたら、離せなくなる」
苦しげな声だった。
『ずっと離さないで』と、『好き』だと言えたら、どんなにいいだろう。
けれど、この想いを口にすることはできない。
それは颯太をつらくさせるだけだと分かっている。
飲み込んだ言葉が喉につっかえて窒息しそうだ。
颯太の腕が緩み、ゆっくりと身体が離れる。
「俺のわがままに付き合ってくれてありがとう」
小さく微笑むその表情には、悲しみを隠しきれていない。
ロボットだなんて誰が言ったんだろう。
颯太は感情を殺していただけだ。
パーティーのあと、私の前でもそうでなければならないと冷たく振る舞っていただけだ。
身を切られる思いになって、思わず背伸びをし颯太の首に手を回した。
「紗知?」
「わかってるの。私はもうここにはいられない。だけど…」
頭では理解している。
颯太はいつか、その身分に釣り合う女性と結婚する。
会社の発展のために。会社を立派に継いでいくために。
私は颯太と結ばれることはない。
けれど…
「私もあと少しだけ、一緒に夢を見ていたい」
数秒の間を置いた颯太が、私をきつく抱きしめ返す。
「…そんなこと言われたら、離せなくなる」
苦しげな声だった。
『ずっと離さないで』と、『好き』だと言えたら、どんなにいいだろう。
けれど、この想いを口にすることはできない。
それは颯太をつらくさせるだけだと分かっている。
飲み込んだ言葉が喉につっかえて窒息しそうだ。