□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「片桐くん、何食べる?」

おばちゃんの問いかけに、片桐は椅子に腰を下ろしながら「なんかあったかい物」と答える。

「本当に片桐くんも平井ちゃんも、注文の仕方がテキトーなんだから。お肉?魚?おでんもあるけど」

「いや、麺類がいい」

「本当に我が儘。麺が食べたいならラーメン屋にでもいけばいのに」

そう言いながらも、おばちゃんは嬉しそうに料理の準備を始めた。

「鍋焼きうどんならできるよ。車海老があるから天ぷらにしてのっけるかい?」

「じゃあそれで」

車海老の天ぷらがのった鍋焼きうどん。
聞いただけでよだれがでそう。
私も今度絶対それ頼もう。

そう思っていると、おばちゃんが「片桐くん、ビールは?」とたずねた。

「今日は車だからいい」

「おばちゃん、ちょっと。さっき私たちにはビール売り切れだって言ったのに、やっぱりあるんじゃない」

「居酒屋にビールが無い訳ないでしょう。平井ちゃん信じてたの?バカだねぇ」

慌ててつっこんだ私に、おばちゃんは楽しそうに声をあげて笑う。

< 117 / 396 >

この作品をシェア

pagetop