□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「や、だめ……っ!」

うなじから首筋に、そして肩に背筋に、とキスを繰り返す片桐。
優しいキスに、腰のあたりからぞくぞくと快感がわきあがる。
その甘い刺激に耐えられず、片桐の方を向いて首を横に振った。

「片桐っ、お願いダメだって……!」

「なんで?」

「このマンション、お風呂声響くから……」

私がそう涙目で訴える。
「わかった」

片桐は後ろ手で蛇口をひねった。
激しい音と共に、頭上から落ちてくるたくさんの水しぶき。
全開に蛇口を開かれたシャワーから勢いよく飛び出してきたお湯が、バスタブの水面を激しく叩き音をたてた。
まるで激しいスコールみたいだ。

「これで声出しても大丈夫だろ」

そんな、強引な。と反論しようとした私の口を、片桐の唇が塞いだ。

「んん……」

私の唇を食んでは離れる、焦らすようなキス。
角度をかえ繰り返すキスに、全身に鳥肌がたつ。
頭上から降り注ぐ熱い雨で二人ともずぶ濡れで、舌を絡ませるたびに熱いお湯が口の中に流れ込んだ。

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