□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「たとえばさ、女の子たちだけでも気軽に入れるお店とか、ランチにぷらっと行けるオフィス街の小奇麗なラーメン屋とか」

「女子目線か」

「いや男子向けに味重視のがっつり系ラーメンとか、子連れのファミリー向けのサービスのあるお店とかも。
わかりやすくカテゴリ作って、店内の様子とかもわかりやすいように画像入れて」

「あー、悪くない、けど」

けど、と言葉を区切って片桐が頬杖をついた。
黙り込んだ彼は、長い指で自分の唇にさりげなく触る。
考えるときのくせなんだろう。
自然と少し厚めで男らしい口もとに視線が向く。
真剣なその表情がなぜか色っぽく見えて、少しだけドキッとした。

「それだけじゃ、ちょっとパンチが弱いなー」

去年の特集を見ながら片桐がそうつぶやいた。
確かに、毎年味重視でラーメン屋を選んでいたから、カテゴリ別にすると男の人にとってみたら物足りない企画に感じるのか……。

「だめかなぁ。
いけると思ったんだけど」

私が肩を落とすと、片桐がぽつりと言った。

「口コミ前面に出してみるか」

「口コミ?」

片桐の言葉に顔を見上げると、視線は雑誌に落としたままで頷いた。
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