□TRIFLE□編集者は恋をする□
「とりあえず去年の特集をベースにして、またエリアごとにページ作る感じでいいか?」
片桐の男らしい筋張った長い指が、雑誌のページをパラパラとめくる。
「んー……」
去年のをベースにかぁ……。
デガワに言われた事が引っかかってる訳じゃないど、毎年一回はやるラーメン特集。
正直エリアごとに紹介する特集の組み方は、正直新鮮味がない。
大手のタウン誌だって、旅行情報誌だって、ラーメンは特集してるし。
ネットで調べればエリアごとにお店は簡単に検索できる。
「もっと、うちらしい特集の仕方したいなぁ」
「うちらしいって?」
「エリアごとじゃなくて、カテゴリ別にページ作るとか」
「トンコツとか魚介ベースとかってことか?」
「んー、そうじゃなくって……」
ラーメン通の男の人ならスープの種類別分類に興味をもつかもしれないけど。
うちの読者は半分以上が独身の若い女の子だ。
ラーメン特集の月は、いつもの読者以外のサラリーマンや札幌市外に住む人も表紙につられて買ってくれるから全体の売り上げは伸びるけど、だからって常連の読者を楽しませられなかったら意味がない。
ラーメン屋に行くのなんて月一回あるかないか。
そんな女の子達が、ついラーメン屋に行きたくなるような特集が組めたら。