□TRIFLE□編集者は恋をする□
「お前仕事になると、ほんと目の色変わるな」
思わず立ち上がった私を見て、片桐が呆れたようにため息をついた。
「そうやってやる気だすのはいいけど、相当大変だぞ?
新規開拓の店がほとんどになるから、しばらく三食ラーメン覚悟してろよ」
そっか。
口コミを集めて取材して。
毎年やってたエリア別の企画とは比べられないくらい新規の店も増える。
「ラーメン食いすぎて太ったとか、忙しすぎて家に帰れねぇとか、文句言ったら殴るからな」
「そんな事で私が文句言うわけないでしょ。
いい雑誌ができるなら、5キロ太ろうが寝れなくて肌荒れしようが、そんなのどうでもいいから」
鼻息荒くそう言った私に、片桐は短く息を吐いて笑った。
きっと仕事一筋のバカ女だって呆れてるんだろう。
でも、そんなの気にならないくらい、仕事への意欲で漲ってる。
今ならデガワに胸を張って言えるかも。
『そうだよ。恋愛よりもなによりも、仕事が一番だけど。
何か悪い?』
って。