□TRIFLE□編集者は恋をする□
「こっちはフードライターの滝川さんに連絡して顔出しOKそうな口コミ提供者紹介してもらうから、平井は過去のアンケート遡って、ラーメン情報もう一回調べ直して」
「うん。わかった」
みんなそれぞれ仕事を終え、私たち意外は誰もいなくなった編集部で、二人で夢中で仕事をする。
すると、片桐のポケットの中で、小さく振動の音がした。
電話かな?と思い、そっと片桐の様子を窺うと、ポケットから取り出したスマホを見て、面倒くさそうにため息をついて立ち上がった。
「ちょっと電話」
ぶっきらぼうにそう言って編集部から出ていく。
わざわざ出てくって事は、プライベートの電話か。
彼女、かな。
自分の左腕にした腕時計で時間を確認すると、時間は午後11時過ぎ。
もしかしたら、彼女と約束でもあったのかな。
……なんか、悪い事しちゃったかも。
黙って去年みたいにエリア別の掲載にしてたら、ここまで忙しく仕事をせずにすんだのに。
これじゃあ私のやりたい事に、片桐を無理やり付き合わせてしまったみたいだ。
しばらくして戻ってきた片桐は、スマホをデスクの上に放り投げ、乱暴に椅子に座って仕事を再開した。