□TRIFLE□編集者は恋をする□
「ムリムリムリムリ!」
「何が無理なんですか?」
「こんなに胸元が開いた服、恥ずかしくて着れないよ」
「あら、そんな風に言われたら、いつもそれを着てる私が露出狂みたいじゃない」
「葉月さんは似合うからいいんです。私が着ても似合わないから変ですよー!」
「いいから出てきて見せてください!」
渋々ロッカー室から出ていく。
「あら、似合うじゃない。平井は首筋が綺麗だから胸元の開いた服が似合うわね」
着替えた私を見て満足そうに微笑む葉月さんとは対照的に、デガワが目を見開いた。
「ちょっと!なんですかその谷間!平井さん、実は巨乳なんじゃないですかっ!」
「や、やめてよ!巨乳とか叫ばないでよ!」
こういうセクシーな女らしい恰好には慣れてないから余計に恥ずかしくなる。
「なんでそんな胸をしてて、普段隠すような服ばっかり着てるんですか、もったいない!普段からもっと胸を強調した服着ればいいのに!」
「ばかね、デガワ。普段女を武器にしてない平井みたいな女の服を脱がしたらこんな谷間っていう方が、逆にグッとくるのよ」
「あぁ、なるほど……!そのギャップに片桐さんもやられたんですね!」
「ちょっと!葉月さんもデガワも、なに好き勝手言ってるんですか!!」
真顔で変な事を話し合う二人に思わず叫んだ。