□TRIFLE□編集者は恋をする□
 




……あぁ、なんでこんな事に。


私は岩本さんを見張るために呼ばれただけなのに、葉月さんから借りた胸元の開いたニットと、デガワにされたばっちりメイクで、ものすごく気合が入ってるみたいになってるんだけど。
いつもはひとつに束ねている髪もふんわりとコテで巻かれて、二人にいいように遊ばれた気がする。

エレベーターを待っていると、チンと音がして扉が開く。
そこに驚いた顔の片桐がいた。

「……お前、なにその恰好」

いつもの私らしくない恰好を見て、片桐が眉をひそめる。

そうだよね。やっぱり変だよね。と、思いながら慌てて言い訳を口にする。

「飲みに行くっていったら、デガワと葉月さんが面白がって……」

「飲むって誰と?男?」

「ウエディング本のカメラマンと、美咲さんと……」

そう言うと、片桐の表情が険しくなった。

あ。
もしかしたら、美咲さんが今日飲みに行くこと知らなかったのかな。

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