□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

「うちの編集長に会ったんですか。絡まれませんでした?」

『絡まれました、絡まれました!』

思わず可哀想にと同情する。
うちの毒舌編集長にお酒の場であったら、相当面倒くさいだろうな。

『で、平井さんまだ編集部で働いてるだろうから、電話でもして誘ってやれって言われてですねー』

「……はぁ」

『本気で平井を口説きたいなら、酔わせて押し倒すくらいしないと相手にされないぞと激を飛ばされたんですよ』

あの編集長め……。
酔った勢いか悪ふざけか知らないけど、勝手なことを言わないで欲しい。

『なんて、それを真に受けて電話したわけじゃないんですけど。週末にでも、一緒に美味しい物でも食べに行きませんか?
酔った勢いで電話しちゃいましたけど、本気のお誘いです』

電話の向こうの大下さんは、小さく咳払いをしてから口調を改めてそう言った。

「あー……、ごめんなさい。
食事のお誘いは嬉しいんですけど、しばらくラーメン以外の物食べる予定がないので」

『は?ラーメン?』

「そう。ラーメンで忙しいんです」
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