□TRIFLE□編集者は恋をする□
「私なんかよりもっと忙しいですよ。深夜でも早朝でも撮影が入るし、来道するタレントさんのスケジュールに合わせて、急きょ呼び出されて撮影したりもするし。それにくわえて編集の仕事もこなしてるし」
「ふーん……。そんな仕事ばっかりして、何が楽しんだか理解できない」
ふくれっつらで呟いた美咲さんは、どこか寂しそうだった。
「理解できないですかね……」
「理解できないでしょ、普通。仕事の中心の人生なんて」
美咲さんは顔を上げて、カメラを持つ私の事を睨む。
「だってそもそも仕事って、生きるために必要なお金を稼ぐためにするもんでしょ?それなのに、あんたも匠も私生活を犠牲にして、仕事をするために生きてるみたいじゃない」
私生活の時間を大幅に削って仕事をしてるのは確かだけれど、仕事の為に何かを犠牲にしているつもりはないんだけどな。
「まぁ、楽しい事ばかりとは言えないですけど、でもこんなにワクワクする仕事ができて、自分は幸せだと思ってます」
「幸せ……?」
「例えば、今作ってるこのページを見て、誰かがこの商品を買ってくれるかもと思ったらワクワクしませんか?この雑誌が名前も知らない誰かの、何かをするきっかけになるかもしれないと思ったら、嬉しくないですか?」