□TRIFLE□編集者は恋をする□
「すごい!がんばってください!」
みんなからの激励に、中野さんがふっと目尻を下げる。
そしてぽつりと言った。
「みなさんの、おかげです」
「……え?」
「とっくの昔に諦めたはずの夢を思い出したのは、トライフルの印刷を担当させてもらって、誌面にでる素敵なお店に心がわくわくしたからです。自分もこんな店を開きたいとチャレンジしたくなったのは、みなさんが書くお店の人の気持ちまできちんとくみ取った記事を読んだおかげです」
頭を下げた中野さんに、その場にいた全員が言葉に詰まる。
そんな風に言ってもらえるなんて、編集者冥利に尽きる。
「なに他人事みたいに言ってんだよ。あんたもその雑誌を一緒に作った仲間だろ」
「え……?」
ぽかんとした中野さんにまるで照れ隠しのように編集長が乱暴な口調で言った。