□TRIFLE□編集者は恋をする□
 

頭から足の先まで完璧なかわいらしさを演出するデガワの隙の無さに、思わずため息を漏らしながら、受け取ったカップに口を付けた。

「うわ、すっぱ!何これ!」

口に飛び込んできた、予想外の味に思わず吹き出しそうになる。
何これ。
変わった香りのする紅茶だと思っていたけど、どうしてこんなに酸っぱいんだろう。

「何って、ローズヒップティーですよ。ビタミンCたっぷりでお肌にいいんですよー。
平井さん、もうアラサーなんだから、こんな大きなマグカップでコーヒーがぶ飲みしないで、ハーブティーとか飲んだ方がいいですよ」

当然のことのようにそう言うデガワに、またため息がもれた。

そうか、女子たるもの飲み物にまで気を使わないといけないのか。
仕事中に飲むものなんて、正直なんでもいいんだけど……。

「あ、そうだデガワ。これ次号の仮台割と進行表。
コピーしてみんな配っといてくれる?」
「もう、だからデガワって呼ばないでって言ってるのに。
って、次号のラーメン特集、平井さんと片桐さんなんですねー」

手渡した仮台割を見て、デガワがそう言った。
< 9 / 396 >

この作品をシェア

pagetop