エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
お見合いの意図も、私が邪推していたようなものとは違ったよう。きちんと話し合わずに逃げたせいで、すごく遠回りをしてしまった。
「だから、真剣に考えてみてほしい。俺と結婚して、家族になること」
瑛貴さんのどこまでも澄んだ瞳が、まっすぐ私を見つめている。
彼の話は嘘でも、都合のいい後付けでもない。今になってようやくそれに気づき、胸が熱くなる。
今からでも遅くないのだろうか。迷いのすべてが晴れたわけではないけれど、彼の目を見てしっかりと頷いた。
「それと、胡桃ちゃんのことを聞いてもいいか? 本人に年を聞いたら二歳だと言っていたが、あの子はもしかして俺の……」
胡桃の名が出た瞬間、勢いだけで突っ走りそうになっていた気持ちが冷静さを取り戻す。
瑛貴さんの手を取り、彼の痛みに寄り添えたらどんなにいいだろう。だけど……彼はまだ、胡桃が自分の子だと知らない。逆に、胡桃も彼が父親だと知らない。
大人たちの事情で我が子を傷つけてしまうのは絶対に避けたいから、胡桃への伝え方は慎重にならなくては。