エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
「ああ。疲れているだろうから、すぐでなくていい。胡桃と一緒にゆっくり休んで」
「瑛貴さんこそ疲れたんじゃないですか? 普段子どもの相手なんてしないでしょうし」
「どうってことない。胡桃は抱っこしてもまだ軽いしな」
「これでも重くなりましたよ。成長の証と思えばその重みも嬉しいんですけど」
後部座席の胡桃をちらっと振り返り、母親らしい穏やかな笑みを浮かべる亜椰。
その表情にぐっと心を掴まれてしまった俺は、駅まではまだ少し距離があったものの、適当な路肩に車を寄せ、一度停車させた。
「あれ……もう着きました?」
駅周辺の景色でないと気づいたのだろう。亜椰が辺りをキョロキョロして不思議そうにする。
俺は無言で自分のシートベルトを外すと、彼女の方へ身を乗り出して唐突に亜椰の唇を奪った。目を閉じて、久々の亜椰の唇を堪能する。熟れた果実のように甘くてやわらかい。
チュッと音を立てて唇を離すと、困り果てたように眉を下げた亜椰と目が合う。
我慢できずにもう一度、今度は食むように唇を重ねた。