エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける

「これ、フィンランドのお菓子だったんだ」

 どうりで、いくら日本で探しても見つからないはずだ。せっかくだから自分用のお土産に買って帰ろう。

 買い物を済ませてスーパーを出ると、歩きながら飴のひとつをコロンと口に入れる。飛行機で男性にもらったうちのひとつもまだ取ってあるが、なんとなくもったいなくて、今購入した方を先に食べた。

「うん、やっぱり美味しい」

 懐かしい味にふっと笑顔になりつつ、幼い頃この飴をくれた男の子のことを思う。

 あの子もフィンランドで買ったのかな。それとも誰かのお土産?

 そんなことを考えながら店の並んだ通りをぶらぶら歩いていると、今回の旅行で立ち寄りたいと思っていたアンティークショップの前を偶然通りかかる。

 ショーウィンドウから中を覗くと、ヴィンテージの木製家具がいくつか見えた。

 ……掘り出し物の匂いがする。

 長年叔父の家具店で買い付けを担当していたおかげか、わりとこういった勘は当たるのだ。

 ワクワクしながら入店すると、年季の入った木の香りが鼻先をかすめる。雑然と置かれた商品の数々が、さらに好奇心をそそった。

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