エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける

 煙の出そうな頭を抱えたくなりつつも、なにも買わないのはやはり不安で、手近にあったショップに入ってみる。

 すると、ちょうど私くらいの年代に合いそうな服やアクセサリーが並んでいて値段も手ごろだったので、綺麗めかつ普段使いもできそうな服を探す。

 気になったものを試着してはさんざん悩み、結局選んだのはノースリーブの切り替えワンピース。トップス部分は黒の無地だが、ウエストから下は軽やかなパステルイエローの花柄。動くたびに揺れるシフォン素材が清楚な印象で女性らしい。

 羽織り物は手持ちのカーディガンでよさそうなので、ワンピースの他にプレーンなパンプスだけ購入し、なんとなくほくほくした気持ちで店を出た。

 好きな相手とのデートに備える女性の心境って、こんな感じなのかもしれない。

 ……って、もちろん明日の食事はデートではないし、瑛貴さんが好きな相手というわけでもないけどね!

 ひとりで勝手に恥ずかしくなり、自分に言い訳をする。爽やかなフィンランドの風が、火照った頬を優しく撫でていった。

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