エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
「ええ。胡桃を混乱させたくないですし」
「それならいいけど……もしまたしつこく言い寄ってきたら、撃退に協力するから言ってくれ。なんなら、亜椰ちゃんの彼氏のフリしてけん制してもいいし」
「とんでもない。そこまでご迷惑はかけられません」
「いや、迷惑じゃないっつーか、こっちはむしろフリじゃなくてもいいんだけど」
「えっ?」
麻人さんがなにを言いたいのかわからず、首を傾げる。
彼は少し顔を赤くして後頭部をかき、まっすぐ私を見つめた。
「胡桃のことがあるから、あんま困らせるようなこと言いたくなかったんだけど……他のヤツに取られそうになってるのに黙ってるわけにはいかない。俺、亜椰ちゃんが好きだ」
突然の告白に驚き、頭が真っ白になる。麻人さんのことは信頼しているが、異性として意識したことは一度もなかったから。
だけど、たとえ異性として彼を見たとしても、気持ちには応えられない。
胡桃の母として恋愛している場合じゃないというのもあるけれど……後にも先にも、瑛貴さん以上に好きになれる人がいるとは思えないのだ。