敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
雪菜にひらひらと手を振られた一弥は「そうさせてもらうわ」と、欠伸をひとつ残してリビングから立ち去っていった。慌てて頭を下げた七緒には気づかなかったかもしれない。
「じゃ、七緒さん、こっちに座ってもらえる?」
「あの、いったいなにをするのでしょうか……」
突如として忙しなく動きだした雪菜の背中に問いかける。ちんぷんかんぷんのため口調には躊躇いが滲んだ。
「えっ、なにって……。もしかして聖さん、話してないの?」
振り返った雪菜の目線が、七緒から聖に移る。
「まぁね」
「まぁねって、なんだそうだったんだ」
「サプライズ的な?」
聖は少しだけ首を傾げながら雪菜に答え、七緒にニッと笑った。
「……サプライズ?」
どういうドッキリなのか判然とせず、目をまたたかせて聖と雪菜を交互に見つめ返す。