敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
「だから七緒はなんの心配もいらない。俺に任せておけば万事オッケーだ」
「聖さんにじゃなくて私に、でしょう?」
雪菜が笑いながら聖の言葉を訂正する。
でも彼言うこともあながち間違いではない。聖に任せておけばなんとかなるという安心感があるのも事実。出会いからとんでもない展開をいくつか一緒に経験してきたからこそ、彼の絶対的な自信は信頼に足るものだと思える。
「ですが私、なんの用意もしてないんです。着るものもなにも」
いくら雪菜にヘアメイクを美しく仕上げてもらっても、ジーパンではちぐはぐだ。
「大丈夫。全部私が用意したから」
「七緒は身ひとつあればいい」
「そんな……、なにからなにまでありがとうございます」
聖とふたりならジーパンでもなんでも大丈夫だなんて、ただの強がり。本当はきれいに着飾って唯斗に後悔させてやりたかった。彼に対する好意はなくても、裏切りの爪痕は心に残っているから。