敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
場所を提供するだけの一弥にとってみれば、夜勤明けで勘弁してくれと不機嫌になるのも当然だ。
「だけど聖さんに恋人ができたって知ってびっくりしちゃった」
かりそめだと訂正しようと口を開きかけたが、彼がどこまで真実を話しているのかわからないため、言葉を飲み込む。余計なことを明かして、巡り巡ってお互いの祖父母の耳に入ったら大変だ。
「聖さんに恋人ができるのって珍しいんですか?」
「うちの兄もそうだけど、ふたり揃って特定の彼女の話を全然聞かないの。仕事が忙しいのもあるけど、結婚にも興味がないみたいで。まぁそれなりに遊んではいると思うけどね」
聖と一弥は同級生で雪菜は六つ年下の二十七歳というが、大学時代からずっとそんな感じだったと。ふたりともモテてたそうだが、華やかな恋愛事情でもないそうだ。
揃ってあの容姿だから女性たちが放っておかないが、すべて適当にあしらっている様子だったらしい。
「だから昨夜いきなり『彼女をパーティー仕様に変身させてくれ』って言われて驚いたの」