敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
「七緒さんがお医者さんと……?」
驚きでいっぱいの表情が僅かに歪んでいく。
「キミのおかげですよ」
声は穏やかなのに、聖はどこか棘のある口調だ。
「……私の?」
彼女の目が〝どうして?〟と疑問を投げつけてくる。
「あなたがそちらの方を七緒から奪ってくださったから、僕はこうして彼女と出会えた」
「奪っただなんて!」
甲高い恵麻の声が空を切って響き渡り、会場内の喧騒がふっと止む。招待客たちの視線が一斉に七緒たちに注がれた。
「違いましたか?」
「私は唯斗さんを好きになっただけです」
唇を噛みしめ、恵麻が反論する。奪った認識はないみたいだ。