敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
街を歩きながら目につくお店に足を踏み入れ、気になるものを見つけては「これがいい」「あっちもいいぞ」と探索するのが思いのほか楽しい。
おしゃれな店がずらっと建ち並ぶ街を端から端まで歩いたような感覚なのに、疲れも感じない。聖の隣にいる心地よさと、それとは相反する胸の高鳴りが、七緒を戸惑わせていた。
多くの人で賑わう街から少し逸れ、ふたりは公園にやって来た。おそらく先ほど食事をするときに車を駐車したあたりだ。
木の配置から植物の色合いまで計算されたように整備された園内は、日が落ちるのを待つライトアップがぽつぽつと灯りはじめている。
子どもの姿はなく、数組のカップルが七緒たちと同じくゆっくり散策していた。
「夜になっちゃいますね」
「そうだな。そろそろ帰るか? それとももっと遊ぶ?」
「最高にするなら、まだまだです」
「だよな」
同意の返事は彼もハッピーな証拠。七緒同様に楽しんでくれているのがうれしい。
「それじゃこの後ゆっくりお酒でも飲むか」
「いいですね」