敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
手をぎゅっと握りなおし、足を進めたときだった。
突如として辺りに鮮やかなライトが灯り、足元から水が噴き出してきた。
「きゃっ!」
「なんだ!?」
あちらこちらで一斉に噴出した水が、今度は空から降ってくる。色とりどりのライトに照らされ、カラフルな水しぶきが上がった。
どうやら大きな噴水の仕掛けがある場所だと気づかず歩いていたらしい。
「きゃーっ、冷たーい!」
「七緒、こっちだ」
踊る光と水。その中を聖に手を引かれて逃げ惑う。ライトに照らされ、七緒たちも鮮やかな色彩の一部になったよう。
頭から噴水を浴びワンピースも濡れてしまったのに、なぜか笑いが込み上げてくる。水のカーテンをすり抜けて駆けるのが楽しいのは、聖と一緒だからなのか。
「聖さん、待って!」
「ほら、早くしないと全身びしょ濡れになるぞ」