敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
唯斗の話によれば、友達の彼氏を奪い歩いていたそうだ。かわいらしい容姿のため、ちょっと誘えばたいていの男性は彼女になびいたらしい。
そんなことを繰り返していたため恵麻は友達とも長続きせず、彼氏同様に次々取り替えていたのだと。
七緒と仲良くなるうちに、今度は唯斗を振り向かせたくなったのだろう。
「……でも唯斗くんも彼女を好きになったんだよね? 妊娠するような行為をしたのだって」
「俺が七緒を裏切ったのは事実だから弁解するつもりはない。なにを言われても仕方ないと思ってる」
唯斗は七緒の質問を否定も肯定もしなかった。なにを言っても言い訳になると考えたのかもしれない。
「ただ、七緒に彼女には気をつけろと言いたかったんだ。俺が引き止めておければよかったんだけど、このとおり無様な姿を晒してるからさ」
自嘲気味に笑って吐いた息は重い。
「すでに彼に接近してるなら警戒したほうがいい」
ひどい裏切り方をした元カノへのお詫びのひとつ。七緒への償いなのかもしれない。