敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

自分が憐れに思われるのは、なによりも嫌なのだろう。


「本気で人を好きになったこと、ないでしょう」
「まさか、私はいつも本気です」
「ううん、恵麻ちゃんは自分以外を好きなれないんだと思う」


誰よりもなによりも自分が大事で自分が大好き。彼氏はアクセサリーと一緒、自分を飾るためだけのものなのだろう。
七緒の彼氏だから奪いたいのはもちろんだが、〝医師〟の肩書きを持つ聖がほしいだけ。


「意味わかんないんだけど」


七緒の指摘がよほど気に入らないのか、恵麻の眼差しに嫌悪感が滲む。


「でも加賀谷先生はきっと私のものになる。パパにお願いすれば簡単だもの」


きっとこれまでそうして生きてきたに違いない。全部父親におねだりして、すべてを手に入れてきた。だから聖も同じようにするつもりなのだろう。


「恵麻ちゃん、聖さんは絶対にあなたに渡さない」
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