わたしのかわいいだんなさま
どうやって今度の訪問日にメリズローサと顔を合わせればいいのだと、アルヴィンがもんどりうって悩んでいる間にも、白の離宮へ訪ねる日が来てしまう。
今までは指折り数えて楽しみにしていた日だというのに、こんな状態になってからというものこの日が来るのが苦痛で仕方がなかった。まるで死刑台への連れていかれるような感覚に足取りは重く動きが鈍い。
ようやく白の離宮へとたどりつくと、すでに門扉で待っていたメリズローサが待ちかねたと言わんばかりの輝くような笑顔でアルヴィンを呼んだ。
そうしていつものキスをするために顔を近づけたその時、アルヴィンの両手が上がってメリズローサの体を押して避けたのだった。
「もうしたくない!」
思わずそう叫んでいた。
「で、殿下?」
「もう、……キスなんてしたくないっ!」
何が起こったのかわからず戸惑うメリズローサへと追い打ちをかけ、アルヴィンは脱兎のごとくその場から逃げ出した。
「まったく、このガキんちょは、もう……」
白の離宮から逃げ出したアルヴィンが、自分のベッドで布団をかぶり虫のように丸くなって籠っていると、侍従のビーバリオがノックと共に部屋に入り込んで不敬な言葉を吐き出した。しかしそれも最近のアルヴィンの状態を知っているからこその言葉だ。
「遠目で覗い……見守っていましたけどね、あれじゃあメリズローサ嬢がお可哀想ですよ。わけがわからないって顔で呆気にとられていました」
「ぐずっ……ひ、覗くなあっ、バカものぉ……」
「あ、怒るのはソコなのですね。じゃあわかっていらっしゃるのでしょう?ご自分のどこが悪かったのかどうかくらいは」
それくらいは最初からちゃんとわかっていたアルヴィンは、布団の中で小さく頷いた。
もう自覚していたのだ、メリズローサのことが好きで好きでたまらないということを。
当然それは小さい頃から自分と遊んで面倒を見てくれていた姉のような存在とではなく、一人の女性として好きなのだと。
だからこそどうしようもなく落ち着かずに、逆にメリズローサへと当たりつけるように接してしまった。
「あのですねえ、大人の男性はまず、好きな女性を守ってあげられるようにならなければなりませんよ。あんな暴言は言語道断です」
「うん……うん」
「次はちゃんと謝ってきましょうね」
「わかった」
ビーバリオと話している内に、段々とアルヴィンは気持ちが落ち着いてきた。
これが侍従長のように年寄りに言われるのとは違って、歳近い兄くらいの年齢のおかげだろう。
今までは指折り数えて楽しみにしていた日だというのに、こんな状態になってからというものこの日が来るのが苦痛で仕方がなかった。まるで死刑台への連れていかれるような感覚に足取りは重く動きが鈍い。
ようやく白の離宮へとたどりつくと、すでに門扉で待っていたメリズローサが待ちかねたと言わんばかりの輝くような笑顔でアルヴィンを呼んだ。
そうしていつものキスをするために顔を近づけたその時、アルヴィンの両手が上がってメリズローサの体を押して避けたのだった。
「もうしたくない!」
思わずそう叫んでいた。
「で、殿下?」
「もう、……キスなんてしたくないっ!」
何が起こったのかわからず戸惑うメリズローサへと追い打ちをかけ、アルヴィンは脱兎のごとくその場から逃げ出した。
「まったく、このガキんちょは、もう……」
白の離宮から逃げ出したアルヴィンが、自分のベッドで布団をかぶり虫のように丸くなって籠っていると、侍従のビーバリオがノックと共に部屋に入り込んで不敬な言葉を吐き出した。しかしそれも最近のアルヴィンの状態を知っているからこその言葉だ。
「遠目で覗い……見守っていましたけどね、あれじゃあメリズローサ嬢がお可哀想ですよ。わけがわからないって顔で呆気にとられていました」
「ぐずっ……ひ、覗くなあっ、バカものぉ……」
「あ、怒るのはソコなのですね。じゃあわかっていらっしゃるのでしょう?ご自分のどこが悪かったのかどうかくらいは」
それくらいは最初からちゃんとわかっていたアルヴィンは、布団の中で小さく頷いた。
もう自覚していたのだ、メリズローサのことが好きで好きでたまらないということを。
当然それは小さい頃から自分と遊んで面倒を見てくれていた姉のような存在とではなく、一人の女性として好きなのだと。
だからこそどうしようもなく落ち着かずに、逆にメリズローサへと当たりつけるように接してしまった。
「あのですねえ、大人の男性はまず、好きな女性を守ってあげられるようにならなければなりませんよ。あんな暴言は言語道断です」
「うん……うん」
「次はちゃんと謝ってきましょうね」
「わかった」
ビーバリオと話している内に、段々とアルヴィンは気持ちが落ち着いてきた。
これが侍従長のように年寄りに言われるのとは違って、歳近い兄くらいの年齢のおかげだろう。