わたしのかわいいだんなさま
「だいたい、あんなに美人で胸が大きいんですから、ちょっとくらいむらむらしたって恥ずかしいことじゃありません」
「…………ん?」
段々おかしな方へ向かっていく気がする。
「だから、ちゅーくらいいいじゃないですか。ラッキーっていうくらいの気持ちでぶちゅっとしてきたらいいんですよ。あーホント羨ましい」
「おい」
「あ、これどうぞ。貸してあげますので綺麗に使ってくださいね」
呼び止めるアルヴィンの声を遮って手渡すのは、最新の銀板写真を使ったポートグラフをまとめたものだった。
「私の厳選したポルノグラフです。一人の夜用ですが、行く前に使用してヌイてけばよろしいかと思いますよ」
「……っ、誰がっ、使うかーっ!!」
思い切り叫んで力の限りその手の写真をビーバリオに向けてぶん投げた。
まとめると結構な鈍器になったようで、直撃したビーバリオはその場でノックアウトしているようだがアルヴィンは後悔しない。むしろ何だか少しスッキリしたくらいだ。
アルヴィンがビーバリオを扉の外に放り出していると、今日の話を報告された国王夫妻が慌てて彼の私室へ飛び込んできた。そこで初めてメリズローサと白の離宮の秘密を聞かされたのだった。
つまり、メリズローサはアルヴィンの正式な婚約者であり、彼が彼女の年齢に追いつくまで白の離宮にとどまってもらっているということを。
そして、その解除方法まできっちりと説明を受けた。
そこまでしっかりと話をきけたことによって、アルヴィンの目の前は一気に晴れきった。あの美しく可愛らしいメリズローサは元々アルヴィンのものだったと知ったから。
僕のお嫁さんになるのだ、メリズローサは――。
よし。次の訪問日にはメリズローサへ謝ろう。そうしてきちんと目を見てキスをするのだ。
そう心に決めていると、自然と気持ちが浮きたってくる。そうしてまた日にちを数えるアルヴィンの毎日が始まった。
愛しい婚約者に会うのだから、もう我慢もしないし恥ずかしいとも思わない。
ようやく迎えたその訪問日、替えの下着をポケットに突っ込み、意気揚々と白の離宮に向かったアルヴィンは知る由もなかった。
前回の言葉にショックを受けたメリズローサがふて寝して出迎えてこないということを。
そして自分が恥も外聞もなく、天敵カリンへ向けて土下座をし、メリズローサを連れてきてほしいと頼み込むことになるということを……。