沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
凛とした佇まいの黒岩くんですが。
さすがに、恥ずかしさを隠しきれないみたい。
黒岩くんは顔を赤らめながらも、私の方に左手を差し出している。
「由乃ちゃん、王子様が待ってるよ~」
「早く潤君の手を取ってあげなよ~」
1階からクスクス交じりの、好意的ないヤジが飛んできて。
甘い雰囲気を、壊すわけにもいかないよね?
私はゆっくりと黒岩君の方に歩みを進めた。
かなりというか、ものすごく歩きにくい。
高いヒールなんて履きなれていないし。
ボリューミーなレースのドレスが、私の太ももにまとわりついてくる。
ドキドキが体中を、まわりまわっているせいもあり
「あっ!」
踏み出した私の足が、ドレスに絡まってしまった。