沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません

凛とした佇まいの黒岩くんですが。

さすがに、恥ずかしさを隠しきれないみたい。


黒岩くんは顔を赤らめながらも、私の方に左手を差し出している。



「由乃ちゃん、王子様が待ってるよ~」


「早く潤君の手を取ってあげなよ~」



1階からクスクス交じりの、好意的ないヤジが飛んできて。


甘い雰囲気を、壊すわけにもいかないよね?


私はゆっくりと黒岩君の方に歩みを進めた。



かなりというか、ものすごく歩きにくい。


高いヒールなんて履きなれていないし。

ボリューミーなレースのドレスが、私の太ももにまとわりついてくる。



ドキドキが体中を、まわりまわっているせいもあり


「あっ!」


踏み出した私の足が、ドレスに絡まってしまった。

< 210 / 226 >

この作品をシェア

pagetop