沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません


重なっていた唇が、ゆっくりと離れていく。


かすかに残る黒岩くんの甘いぬくもりが恋しくて、私はうつむきながら自分の唇を指でなぞってみた。



いくら傘で顔が隠れていたとはいえ、元クラスメイト全員の前での公開キス。


恥ずかしいはずなのに……

それなのに……


永久の誓いが込められた神聖なキスに、こみあげてくる幸福感を堪能せずにはいられない。




「由乃、こっちに来て」


「ちょっと、黒岩くん?」



私の腕をつかんで、どこに連れて行くの?



「足りない。もっと由乃を味わいたい」


「えっ?」




私だけを映す黒岩くんの瞳が、獣のようにギラツいている。


戸惑う私を、黒岩くんは薄暗い階段下に押し込んだ。


みんなからの死角となっているこの場所。

< 225 / 226 >

この作品をシェア

pagetop