沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
重なっていた唇が、ゆっくりと離れていく。
かすかに残る黒岩くんの甘いぬくもりが恋しくて、私はうつむきながら自分の唇を指でなぞってみた。
いくら傘で顔が隠れていたとはいえ、元クラスメイト全員の前での公開キス。
恥ずかしいはずなのに……
それなのに……
永久の誓いが込められた神聖なキスに、こみあげてくる幸福感を堪能せずにはいられない。
「由乃、こっちに来て」
「ちょっと、黒岩くん?」
私の腕をつかんで、どこに連れて行くの?
「足りない。もっと由乃を味わいたい」
「えっ?」
私だけを映す黒岩くんの瞳が、獣のようにギラツいている。
戸惑う私を、黒岩くんは薄暗い階段下に押し込んだ。
みんなからの死角となっているこの場所。