Melts in your mouth


平野の香りが鼻腔を潜る。平野の体温が頬や腕から伝ってくる。それだけで、これ以上早くならないと思っていた心拍数が上昇していく。



「俺も。俺も好き。大好き。」

「わ、分かったから離れて…「永琉先輩、愛してます。」」



もう、どうしてこの男は毎度毎度、こんなにもストレートな球をぶん投げるんだ。しかも170kmレベルの豪速球。パンピーの私には破壊力があり過ぎる。

頬から顔全体へ、更には全身にまで熱が巡る感覚が襲う。そんな私の両頬に触れて「どうしよう、赤くなってる先輩、可愛い。どうにかなりそう」と、吐息交じりの甘い言葉を落とす後輩。



「何言ってんの、どうにかなるな。」

「無理です。朝からこんな刺激強いのやめて下さい。」

「人を18禁の物みたいに言わないでくれる?」

「どんな18禁の物よりも俺には妖艶に見えちゃう。普通に平野の平野が反応しちゃいそうで困る。」

「職場で何てこと言ってんだ。」



軽く睨んでみても、相手はふにゃりと頬を緩めるだけで全く効果なし。ロマンチックの「ロ」の字もない発言をしていても、可愛いと思ってしまう。

分かるよ、そんな思考回路の女ってキモいよな。私もキモいと思う。自覚はあるけど止められない。



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