Melts in your mouth

相手の頬は、表情筋が死んだんか?疑うまでに緩みっぱなしだ。へらへら、ふにゃふにゃ、ニコニコ…こんなにも笑みが絶えない平野を見るのは初めてだ。



「永琉先輩。」

「なに。」

「これだけははっきりさせておきたいんですけど、俺と永琉先輩は両想いという事で良いですか?」

「そうなるね。」

「詐欺ではないですよね?」

「んな訳あるか。」

「そ、それじゃあ俺とお付き合いしてくれるって事ですね?」

「あー、その事なんだけど。」

「え?」

「私もはっきりさせておきたい事があるから、今日の仕事終わり時間ある?」

「ありますけど…え?何!?!?怖い!!!ここまで来て付き合ってくれないんですか?泣いちゃう普通に病む!!!」

「うるさい、一人で展開させるな。ゆっくり話したいから仕事終わりにね。そろそろ人も来るだろうし、仕事大量だから。」

「俺より仕事取るんですか!?」

「メンヘラで草。」



デスクに突っ伏してしくしくしている平野を無視して、途中だったタスクに再び向き合う。今日は漫画の持ち込みが二件入っているからなるべく仕事を片付けておきたい。



「酷い、もっと俺に構ってくれても良いじゃん。くそ、俺の永琉先輩を取りやがって忌々しい仕事め。」



私に負けず劣らずな社畜の平野も、あっという間に落ち込みから復活していつも通りに隣で仕事を開始した。



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