Melts in your mouth


衝撃的な事実に唖然としていると、恐る恐ると言った様子で顔を上げた平野が私の視線に自らのそれを合わせた。



「永琉先輩を純粋に追いかけてたら捨てるタイミングを逃して、それすなわち経験値を積む事もできなくて、それなのに年齢だけは重ねてしまって、これで永琉先輩と付き合えても俺の技術不足が露呈したら飽きられると思って、だから勉強する為に女性用風俗の門を叩きました。」

「ん?当たり前みたいに言ってるけど、何で私とあんたが付き合う事前提?」

「え、それはそうですよ。俺が永琉先輩を逃がす訳ないじゃないですか。」

「怖。」

「何で引いてるの!?深い愛だって感動する所では?」

「いやいやいやいや怖いだろ。勝手に付き合うと決めてんのも怖いし、付き合った後の事を考えて風俗してんのも怖い。」



両腕を擦って平野の狂っている思考への鳥肌をおさめている私に対し、当の狂人は首を傾げてキョトンとしている。何でこの恐ろしさにピンと来てないんだよ。



「でもほら、永琉先輩は俺を好きになってくれたでしょ?」

「…っっ。」



確かにそうだ。悔しいけれど、結局この男が思い描いていた通りになってしまった。

私の手首を掴んで屈託のない笑みを湛える平野の手が手首から滑り落ちて、私の指を一本一本絡めていく。熱い体温がジリジリと私の体温まで上げていく様だった。



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